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薬局部門

循環器疾患は薬による治療がとても重要となります。医師がどんなに適切な薬を処方しても正しく服用していただかなければ効果はありません。このため患者さんには薬を服用する意味をしっかりと理解していただき積極的に治療に参加していただく必要があります。薬剤師は薬の働きや副作用の説明、服用する時間毎に薬をまとめるなど、患者さんが正しく、継続して薬を服用することができるようサポートさせていただきます。

 

心不全とは…

心臓は全身に血液を送りだすポンプのような働きをしています。何らかの原因でこのポンプの働きが弱くなり、全身に十分な血液を送り出せなくなってしまった状態のことを心不全といいます。心臓の働きが弱くなると肺に血液がたまりやすくなったり、血液が心臓に戻りにくくなるため体の中に水がたまりやすくなります。その結果、息切れ、むくみ、疲労感など様々な症状が現れます。
 

心不全の治療薬

▶ β遮断薬

以前は心筋の収縮力を低下させる効果があることから、心臓の機能が低下した心不全患者さんに対しての使用は禁忌と考えられてきました。しかし、多くの大規模臨床試験の結果から心臓を保護する効果があることが明らかとなり心不全の患者さんに使用されるようになりました。少量から開始して状態に合わせながら徐々に増量していきます。

(β遮断薬の)副作用として脈が遅くなったりすることがあります。

 
▶ ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬、ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)

レニン・アンジオテンシンという血圧をあげるホルモンの働きを抑えることで血圧を下げ、心臓を保護します。ACE阻害薬は心臓の機能が低下した心不全患者さんに対する第一選択薬とされています。ARBはACE阻害薬と同等の効果が示されていることから、副作用などでACE阻害薬が使用できない患者さんに使用されることがあります。

(ACE阻害薬の)副作用として空咳、(ACE阻害薬、ARBの)副作用として高カリウム血症、血管浮腫(顔や唇、舌、喉が腫れる)があります。

 
▶ MRA(ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬)

アルドステロンという水分の貯留や血圧を上昇に関係するホルモンの働きを抑えることで心臓を保護します。

(MRAの)副作用として高カリウム血症、女性化乳房があります。

 
▶ ARNI(アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬)

ナトリウム利尿ペプチド(ANP,BNP)という血管を拡げる、尿量を増やして体液を減らす働きをもつホルモンの分解を抑えることで心臓を保護します。

 
▶ SGLT2阻害薬

尿中から排泄される糖を増やす働きがあることから糖尿病の治療薬として承認された薬剤ですが、心不全による入院や心不全の悪化によるイベントの発生が低下することが示されたことから心不全の治療薬として使用されるようになりました。

(SGLT2阻害薬の)副作用として、脱水や倦怠感、尿路感染症などがあります。


▶ 利尿薬

心臓の働きが低下することで、体の中に水分がたまります。その結果、息切れ、むくみなどの症状が現れます。利尿剤は体の中にたまった水分を尿として排出することでこれらの症状を改善します。

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